2014年4月5日土曜日

Fuxx The Hype vol.143

どうも。大分久しぶりの更新になりました。皆様いかがおすごしでしょうか?
今回はFTH新企画、ドイツ在住のKayo Watanabeによるドイツ音楽シーンのレポートです。ネット全盛期の今、ここ日本にいても海外の情報というのはある程度入っては来るのですが、やはりそれは現地のものとは若干のタイムラグ、温度差があるのは否めないというのが正直な僕の感想です。

そういった考えや、まだ皆さんが知らない音楽、シーンを紹介していくのがこのブログの主旨のひとつですので、今回から不定期にこの企画もやっていきたいと思います。
彼女のレポートにもありますが、ダンスミュージック大国ドイツの地方都市で今起こってるリアルなムーブメントを是非とも感じて頂きたいと思います!内容も大変興味深いもので、最近にわかに起こっている東京以外の地域で勃興しつつあるオルタナなクラブカルチャーに通じるものがあったり、風営法と絡めてドイツでのパーティーオーガナイズの仕方など。というおよそネットでは知り得ない内容ですので是非一読してみてください!

Kayo Watanabe Report
ダンスミュージック大国、ドイツ。
特に近年はその中心としてテクノ、ハウスシーンで盛り上がりを魅せているベルリン。市
内に100以上ものナイトクラブが存在し、平日も週末も何かと有名 DJ が必ずどこかで
プレイをしている、アンダーグラウンドなものから大規模なクラブまで、今のダンス
ミュージックのトレンドを知るにはもってこいの場所であることは間違いないでしょう。
ベルリンが一つのトレンドとして確立されつつある中、ドイツの他都市で出会った、ベル
リンに負けず劣らずの素晴らしいパーティーを紹介したいと思います。

ドイツの西側に位置し、オランダとの国境が近い、デュッセルドルフ。
ドイツの経済の中心地でもあり、日系企業も多く、ヨーロッパ圏内にてロンドン・パリに
ついで3番目に大きい日本人コミュニティがある都市。

電子音楽つながりで言えば、1970年代にクラフトワークがデュッセルドルフをベース
に活動をしていました。

だけども近年、デュッセルドルフ出身の若者はベルリンやハンブルグ、ケルンなどに移り
住む傾向が強いため、”音楽好きが集まるパーティー”というものが毎週市内のどこかのク
ラブで行われてる。。。という状況ではないようです。
実際私もこの街に住み始めて初めにぶつかった問題は、まさしく「それ」でした。

そんな中、出会ったパーティー、それが「Baka Gaijin」という日本人の私たちにはとても
びっくりさせられるネーミングのプロモーターのパーティーでした。個人的にとても興味
深い名前だったので、オーガナイザーである Alexis さんに直接お話が聞けないかと依頼。
快く承諾してくれました。そんな彼のインタビューも交えていきたいと思います。

デュッセルドルフ中心地にある「Lieblings」というカフェ・レストラン。元々はガソリン
スタンドだった場所をレストランとして改築。Baka Gaijin のパーティーを開いてる際はカ
フェ・レストラン部分は閉鎖しており、ガラスの壁を隔てて隣りに繋がっている大きめの
「ラウンジ」と言える場所にはにドリンクカウンターがあり、みんなお酒を片手に音楽を
程よい音量で聞きながら会話を楽しめる空間。と、その奥に位置する「メインフロア」と
呼ばれる10帖ほどのスペース。ここにはもちろん DJ ブースがあり、音楽を聴いて踊りたい人たちが集まり、DJ を盛り上げています。メインフロアと呼ぶには少々狭いスペースですが、とても印象が残るユニークな空間。プレイする DJ 達は「リビングルームみたい
だ」なんて言ってるとか。

2月上旬に行われた Baka Gaijin 012 にはオランダの人気レーベル Rush Hour の看板アーティスト、アムステルダムのハウスシーンではかかせない Tom Trago をフューチャー。ちょうどこのパーティの1ヶ月前は東京の AIR でプレイしたそうです。しかも初来日だったそうで。

Tom Trago の前には FRIENDSHIP というフランスからの2人組の DJ ユニット。ハウスを中心とした選曲で、絶対に盛り上がるハウスナンバーから、今流行りの”deep house”なナンバーまでと、フロアを暖めていました。
そして、メイン DJ の Tom Trago!デトロイトハウスからダイナミックなダッチハウス、そして少々のテクノとかなり幅が広い選曲でした。派手目なハウスナンバーがかかるともうフロアの盛り上がりは頂点!個人的にはやっぱりデトロイト系のハウスに心惹かれます。

良い具合でフロアを盛り上げてました。”新星”と言われてるだけの存在感がありましたね。
あの特殊なメインフロアの作りのせいか、とても DJ を近くに感じられるし、きっとプレ
イする側もオーディエンスの反応を上手くキャッチ出来るのではないかと考えさせられま
した。

このような素晴らしいラインナップでパーティをオーガナイズしてる Alexis。デュッセル
ドルフという街を中心にこだわったブッキングしてる彼に色々とドイツの現状も含めて話
を聞きました。




Interview

Baka Gaijin は2012年9月にスタート。計12回のパーティのうち、パリで行われた1回以外は全てデュッセルドルフの Lieblings にて行われているのですが、そこへのこだわりは?

もともと両親がギリシャ人で幼少期にドイツ・デュッセルドルフへ移住。それこそ70年
代にはクラフトワークが活動してた場所、90年代は『音楽を聴く空間』というものがた
くさんあったけど、近年、デュッセルドルフ出身の若者が、ベルリンやケルン、ハンブル
グなどに移り住むこが多くなった。デュッセルドルフ市が若者が住みにくい環境にしてき
た。そうすると「音楽の空間」というものが自然と少なくなってくる。そこで何かこの自
分が育った街で出来ないか?ということをモットーに始めたのがきっかけ。やはり自分の
ルーツがあるところで何かすることが大切だと個人的に思う。

どのようにパーティを始めたのか?

第1回目のパーティの半年前くらいからデュッセルドルフの街中に Baka Gaijin のステッ
カーを張りまくり、そこから数ヶ月たったところで Resident Adviser と Facebook に登録。パーティのポスターも夜中に街中に貼りに行ったり。そこまで大々的なメディアを使用しての宣伝はしなかった。


12回目を迎えた現在はオープン時間からたくさんの人が集まってますが、客層はどのよ
うな傾向にあると思いますか?

学生から社会人まで幅は広い。中には弁護士の人だって来たりする。今は色々と噂を聞き
つけて集まってる人が多いと思う。
最近は地元の新聞などでパーティのことを掲載して宣伝をしないか?と言われるけど全て
断ってきてるんだ。確かに大きいメディアに広告を出せばお客もたくさん入る。けれど、
ただ酔っぱらいや DJ や楽しみに来てるお客の迷惑になるような客層はなるたけ避けたい
と思ってる。

なぜプロモーターの名前を Baka Gaijin にしたのか?

特に深い意味はないけど、子供の頃日本人の友達がいて、僕たちがその子をからかったり
するといつも「Baka Gaijin!!(バカ外人)」と言い返してきてたんだ。それが印象的だっ
たからだね。


ドイツのクラブシーンについてどう思うか?

やはりベルリンはすごく盛り上がってると思う。なんといっても市内に100以上ものク
ラブが存在するし、大きいものから小さいものまで内容が濃い。ベルリンでも Baka Gaijin
のパーティをしないか?との誘いをあるけど、今のところその予定はないかな。
DJ やアーティストにとってはベルリンは刺激的かつ、市内にもたくさんのパフォーマンス
出来る場所があり、ヨーロッパ内にも行き来しやすい。でも、ベルリンに住むとみんな同
じ「ベルリンサウンド」になりがちなのが残念なところ。


日本では「風営法」の問題が取り上げられてますが、デュッセルドルフはどうですか?

デュッセルドルフもパーティをオーガナイズするためにライセンスは必要で、きちんと市
役所に行って手続きをするよ。記憶に新しいけど、2010年にデュッセルドルフと同じ
州で隣りに位置するデュイスブルク市(Duisburg)で開催された LOVE PARADE で死者21人が出る事故が起きた以降、更に厳しくなったと思う。

最後に今後の Baka Gaijin の予定は?
今年はヴァイナルリリースをする予定で、実はロンドンにてマスタリング段階で夏にはリリース予定。あと、パーティオーガナイズだけではなく、「Baka Gaijin Gallery」というものも展開出来ていけたらと。

次回の Baka Gaijin 013 は5月10日。ラインナップは Gerd Janson, Tasker とヨーロッパのシーンのど真ん中にいる2人に加え、Baka Gaijin のヴァイナル第1弾のアーティスト、J. Lewinson。

クラブ都市ベルリンに負けず劣らずのラインナップ。規模は少々小さいけど、「音楽好き
が集まるパーティ」という理念を貫きながら、デュッセルドルフという地にて更なる進展
をみせようとしてる Baka Gaijin に今後も注目です!

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